ドラッグディスカバリーセンター
京都大学では最先端研究基盤事業「化合物ライブラリーを活用した創薬等最先端研究・教育基盤の整備」(平成22~24年度)、「創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業」(I期:平成24~27年度、II期:平成28~32年度)の支援のもと、全国アカデミア発創薬研究の連携拠点として創薬研究およびケミカルバイオロジー研究を推進しています。平成28年度からは「創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業」の活動の一環である「創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム(BINDS)」の支援組織(ケミカルシーズ・リード 探索ユニット:ライブラリー・スクリーニング領域)の一端を担い、より広域の、多くの創薬研究を希望される研究者の支援が可能になりました。
医学研究科では医学研究支援センター内に「ドラッグディスカバリーセンター(旧称:創薬拠点コアラボ)」を設置し、創薬に向けた共同利用研究基盤を整備しました。化合物スクリーニング及び作用機序検証に必要な設備を整えています。
ドラッグディスカバリーセンターが管理する共用研究機器、および各種説明会は以下のページをご確認下さい。
ドラッグディスカバリーセンター保有化合物について
ドラッグディスカバリーセンターではスクリーニングデザイン及び1st screeningの支援を致します。その手始めの化合物ライブラリーとして、本センターでは既存薬及び機能既知化合物を保有しています。
作用機序情報の付随した化合物ですので、特に表現系に着目したスクリーニングや、ポジティブコントロール化合物が未知の場合の化合物ライブラリーの第一選択として有効です。
現在約2500化合物が利用可能で、プレート単位で提供できます(10mM in 100% DMSO, 5µl/well, 80化合物/プレート、原則1スクリーニングに対し各1枚)。主なコレクションは以下の通りで、今後拡充予定です。
- Prestwick既存薬コレクション
- Selleck阻害剤コレクション
- その他個別購入(サプライヤー:InterBioScreen社、Sigma社等)
化合物利用の流れ
1)スクリーニング方法の事前打ち合わせ
○ より良いスクリーニングのために、センターにてご協力できる点がないか確認するため、最初の申請のまえに事前相談をしていただくこととしております。スクリーニングに関する資料(研究概略等)を準備していただき、センターまでお越し下さい。
○ 1セットの化合物プレートで複数のスクリーニングを予定されている場合は事前打ち合わせの際にお申し出ください
2)創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム(BINDS)への登録
○ 医学研究支援センターはBINDSによる創薬等研究支援活動に参加しています。化合物スクリーニング支援希望の方は以下のリンクより「コンサルティング依頼」を行ってください。
創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム(BINDS)トップページ
3)KUMaCoへの登録
○ 利用者登録が完了していない方はこちらからKUMaCo登録を完了してください。
利用登録時には「化合物ライブラリ・受託解析(医/ドラッグディスカバリーセンター)」にチェックを入れてください.
○ 既に利用者登録が終わっているが、「化合物ライブラリ・受託解析(医/ドラッグディスカバリーセンター)」を登録していない方は、変更登録が必要です。
4)依頼の起案
○ KUMaCoマイポータルにログインし、左に表示されるメニューから「化合物ライブラリ・受託解析(医/ドラッグディスカバリーセンター)>依頼一覧」を選択、表示される画面から「新規登録申請」をクリックしてください。
○ 入力画面では以下を指定してください。
*「解析担当者名」:医/ドラッグディスカバリーセンター
*「依頼タイトル」:化合物プレート分与(**枚) **には提供枚数を記載ください。
*「支払い経費情報」
○ 申請完了後、1-2日後までにはKUMaCoマイポータルから「依頼証明書」がダウンロードできるようになります。
5)化合物プレートの受領
○ KUMaCoからダウンロードした「依頼証明書」と合わせ、「機能既知化合物コレクション 利用申請書及び受領書」をダウンロード、必要事項を記入し、化合物受け取りの際に持参してください。
○ 化合物プレートは氷冷でお渡しします。受け取りの際には受け取り枚数のPCRプレートの入る発泡スチロール箱を持参ください。
機能既知化合物コレクション 利用申請書及び受領書
機能既知化合物コレクション 利用申請書及び受領書(記載例)
○ 申請完了後、1-2日後までにはKUMaCoマイポータルから「受領書」がダウンロードできるようになります。本受領書の提出は不要です。
4)スクリーニングの実施(各研究者)
5)ヒット化合物の検証
○ 1次スクリーニングでのヒット化合物検証のために化合物を小分注してお渡しすることが可能です(原則10mM in 100% DMSOの溶液を10uL、30個まで)。
その際には事前にスクリーニング結果をまとめたものをお寄せください(メール可)。
○ 記録のためKUMaCoの起案をお願いします。検証化合物は無料で配布しますが、システムの都合上支払い経費は指定してください。
○ 「機能既知化合物コレクション 利用申請書及び受領書」に「個別化合物」にチェックの上、希望化合物の管理番号を記載(別紙でも結構です)、メールにて提出ください。
○ 分注完了後ご連絡しますので、KUMaCoからダウンロードした「依頼証明書」、及び「機能既知化合物コレクション 利用申請書及び受領書」を印刷ご持参ください。
6)ヒット化合物2次評価(各研究者)
○ 再現性の確認できた化合物について、引き続く2次評価のためには溶解前化合物の購入を推奨しております。各自研究者にて購入をお願いします。
7)業績報告(各研究者、スクリーニング終了時または年度毎)
○ 本化合物利用にあたり、得られた成果(学会・論文発表、特許申請状況等)を年度毎、もしくはスクリーニング終了時にお知らせください。
頂いた情報を各種報告書に利用させていただくことがありますのでご了承ください。
不明な点がありましたらセンターまでお気軽にお問い合わせください。
info[@]support-center.med.kyoto-u.ac.jp
※アットマークのカッコを外し、半角英数に直してご使用下さい。
その他主な化合物ライブラリーリソース
京都大学薬学研究科
薬学研究科での化学合成研究で得られた独自化合物をはじめとする3万超の化合物を保有しています。
東京大学 創薬機構
日本における初の公共低分子化合物ライブラリー提供元です。
20万を超える化合物を保有しており、実費料金負担のみで利用可能です。
詳細は以下のリンク先をご参照ください。
東京大学 創薬機構HPへのリンクはこちら
また分与に関する契約は研究室単位ではなく、機関対機関の契約になります。
京都大学医学研究科所属の方の場合、手続きに関して医学研究支援センターでご相談に乗ることも可能ですのでご連絡ください。
企業公開化合物
製薬業界では自社開発中止化合物の活用(ドラッグリポジショニング)に注目が集まっています。企業が物質特許を確保し、選択性、薬物動態特性等が付帯した化合物での新規適応症探索は、当該企業との共同研究が進めやすくなります。
- ベーリンガーインゲルハイム社「OpnMe」
ベーリンガーインゲルハイム社が創薬研究の過程で創出した化合物を、社外の研究者にご提供するためのポータルサイトです。
英語サイト
化合物情報検索について
化合物スクリーニングの後、ヒット化合物の特性を調べる必要があります。その際に便利なデータベースをいくつかご紹介します。これらのデータベースを使うと、例えばヒット化合物の名前、もしくは構造から当該化合物または構造類似化合物の生物活性を検索することも可能です。
- 化学系データベース・SciFinder
SciFinder は、インターネットを通して化合物及び関連科学情報を調べることができるオンライン検索サービスです。京都大学では図書館機構が提供しています。利用ガイドは図書館HPをご参照ください。
また、図書館HP上のSciFinder利用ガイドから取り扱い元である化学情報協会HPへのリンクがあります。化学情報協会ではSciFinder使用方法に関するe-Learningも整備されています。
京都大学図書館電子リソースへのリンクはこちら - PubChem
米 国国立生物工学情報センター(NCBI)によって維持管理されている化合物データベースです。PubChen Compound、PubChem Substance、PubChem BioAssayの3つのデータベースから構成され、各々の情報が密接に連携しています。
PubChem Top Pageへリンクはこちら
化合物スクリーニングに関する技術情報
- Assay Guidance Manual (English)
NCBI Bookshelfで公開されています。化合物スクリーニングを計画、実行、評価する時の基本的なポイント、及びスクリーニングスキームの事例が紹介されています。
詳細は下記アドレスまでメールにてお問い合わせ下さい。
info[@]support-center.med.kyoto-u.ac.jp
※アットマークのカッコを外し、半角英数に直してご使用下さい。